自己破産を考える社長の駆け込み寺

自ら黒字企業に蘇らせたからこそ言える、自己破産を考える社長の皆様に伝えたいこと

企業再生は、「ヒト」「モノ」「カネ」の三位一体が命

私が会社を倒産させてしまった経験があること、そして、その後、今のような皆さんの会社の再生に携わる仕事をしていることは、以前にご紹介しました。


そんな私が、自分自身の経験にも照らし合わせて、また、多くの倒産しそうな企業、会社を見てきて思うのは、健全な経営をしていくための鍵となるのは、やはり「ヒト」「モノ」「カネ」の3つだということです。まず、企業や会社を維持し、売り上げを伸ばすには、「ヒト」はマストです。また製品を生み出すためには、機会や設備といった「モノ」がなければなりません。そして、「ヒト」や「モノ」を活かす、売り上げをあげるための販促を行うといったことのためには、「カネ」が必要となります。


ここで、あらためて、それぞれについて見ていくと、
1.ヒト(人的資本):人材や人間関係、それにその人材が持つスキルのこと。
2.モノ(物的資本):設備や技術の他に取扱商品やビジネスモデルそのもの。
3.カネ(財務資本):金銭は勿論、資金繰り、バランスシート(BS・PL)等。
といったことになります。

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私が会社を倒産させてしまった時もそうですが、利益を上げて経営を維持するためには、一般的に経営の3要素と呼ばれる、この3つが大切だということを理解していないと、売り上げの低迷、赤字体質に繋がり、やがて資金繰りに行き詰まり、倒産にまで繋がります。
勿論、このような窮地に立たされた会社の中には、1に問題がある場合もあれば、2に問題があるケース、3がダメなこともあります。しかし、最も多いのが、「1、2、3全てに問題があるケース」です。
例えば、「社長は決算書どころか数字を見ることが苦手、従業員は専門的な能力に欠け、競争力のある取扱商品は勿論ビジネスモデルも出来ていない、その結果、慢性赤字体質で財務基盤は脆弱、安全性が低いと見なされ金融機関から満足な融資が受けられない。」といった感じです。


本気で事業再生に取組もうとすれば、単に「カネ」の問題を解決すればいいというわけではりません。「カネ」の問題を解決しようとすれば、「ヒト」や「モノ」の問題をクリアしなければいけません。「ヒト」「モノ」「カネ」の順番に大切だと言ってもいいと思います。
かく言う私も、まだまだ勉強・経験不足で、「ヒト」「モノ」「カネ」に関して、もっとスキルを高めたいと思っています。そのため、定期的に「事業再生実務研究会」を開催しています。


自分に足りないものを少しでも補っていきたいからです。そして、そこで、スキルを高めるために研究会に参加してくれる方々に感化されています。つまり、研究会で得る知識やスキルの他に「ヒト」を得たというわけです。また、私の場合、会社を倒産させましたが、「また、再生するぞ!」という明確な意思を持つことで、次のステップに進むことができ、中小企業診断士の資格を取得し、ステップアップすることができました。

 


このように「会社を再生する!」という前向きな気持ちが現れればしめたもので、倒産しそうな会社の社長さんでも、自分で決算書を読みこむ努力をし始める、つまり一番身近な「ヒト」である自分が変わり始めることが大切で、これが「ヒトの再生」の始まりです。
「モノ」については、1対1のアドバイスなどよりも、複数名で知恵を出し合ったほうが効果的な場合が少なくありません、「三人揃えば文殊の知恵」といいますから。このようにして「ヒト」と「モノ」の再生の手掛かりが出来れば、あとは知識やスキルがあれば「カネ」の方も何とかなることが多いのが現実です。


このように「ヒト」「モノ」「カネ」の再生、ひいては、企業の再生、日本経済の再生に貢献したい。そんな思いで、これからも事業再生に取り組んでいきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

 


 

「もうこの会社、ダメかもしれない...」

と思っている中小企業経営者の皆様、まだあきらめないでください!

会社がどの様な状態でもご支援出来る方法を一緒に考えます。
私たち中小事業者支援センターは、経済産業大臣認定の中小企業診断士を中心として、弁護士、公認会計士、税理士も含めた専門家集団です。
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関連会社:大野不動産コンサルタント事務所

事業継続か事業譲渡か?そのメリットやデメリットは?

会社の業績がいい時は問題になることはないのですが、売り上げが落ちてきた、利益があがらなくなってきた時には、何らかの整理をする必要があります。私達が相談を、お受けするケースの中にも、勿論、負債が多額で事業内容にも先行きが見込めない時には、全てを整理するという意味で、破産といった手続きを行わざるをえないケースもあります。この場合は、本当に全てを失い、従業員さんがいれば、その方々の雇用も維持できなくなります。一方、そこまで深刻なケースでない場合は、事業を継続しながら立て直しを図っていくことが基本となりますが、事業そのものを譲渡するという方法も選択肢として出てきます。今回は、実際に私達が携わらせていただいたケースを紹介しながら、事業継続、事業譲渡、それぞれのメリットやデメリットについて紹介していきます。

 

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〇ご相談内容
2015年頃、あるメーカーさんから相談を受けたのですが、その時の状況は次のようなものでした。
 ・年商 1億円
 ・金融機関からの借入金約1億円
 ・社会保険料の未納分 3000万円
 ・国税の未納分 3000万円


以上のような状況で負債総額は約1億7千万円であり債務超過状態でもありました。普通に弁護士に相談すれば、破産手続きを勧められるような状況です。この会社の場合は、現経営者が事業を引き継いだ時から債務超過、赤字体質に陥っていたのですが、その原因として、原価計算があいまいだったこと等が挙げられます。一方、この会社は、付加価値のある商品を扱っていたため、やり方次第では、売り上げを伸ばしながら営業利益を上げていくことも出来る、会社を潰さなくても事業を継続しながら経営改善は可能だとも思っていました。会社の内容次第では、破産しそうな会社でも再生できるということは、私自身の体験からも分かっています。確かに、一時的に返済を止める、待ってもらうなどの交渉は必要でしたが、やりがいのあるケースだと思っていました。また、社会保険料国税の遅延の支払い請求はすさまじいもので金融機関や売掛金に対して何度も差し押さえを行ってくるなど、すさまじいものがあり、生きている心地はしないかもしれませんが、それを乗り切りさえすれば、苦境を乗り切った経営者として、一皮も二皮も向ける、辛抱のし甲斐のあるケースでもあります。


ただ、もう一つの選択肢として、事業譲渡、いわゆる第二会社方式というスキームについても、弁護士・公認会計士中小企業診断士の3者で検討を行いました。具体的には次のようなスキームです。


・知人に新会社を設立してもらい、その会社に、現在の営業権、工場や倉庫、それに雇用を引き取ってもらう。 
・旧会社については、清算(破産)処理を行い、旧会社の社長についても個人破産の手続きを行う。つまり、新会社に借入金や社会保険料国税の未納分は引き継がせない。
・旧会社の社長は、従業員として新会社と関わっていくこともできる。
つまり、旧会社は特別清算か破産(倒産)となり、新会社が事業継続して新たな会社組織となるわけです。


では、今回のケースについて、事業継続と事業譲渡(第2会社方式)、それぞれのメリット・デメリットをあげていきます。


まずは事業継続です。
〇メリット
・長年続いてきた会社を守ることができる。
・無事に難局を乗り切った際には、経験値や信用が高まる。


〇デメリット
負の遺産を引き継いだままになるので合理的とは言えない。
・金融機関との交渉や社会保険料国税の遅延に対する催促に対して、耐えていく必要があるが、それが精神的苦痛、ストレスに繋がる。


次は、事業譲渡です。
〇メリット
負の遺産を切り離すことができ、合理的に再建を目指すことができる。
・長年維持した事業を守ることができる。
・従業員の雇用を守ることもできる。
・精神的苦痛から解放される。


〇デメリット
・会社を手放すことになる。
・個人の資産や信用は完全に、失うことになる。

 

事業継続と事業譲渡、2つのスキームについて、実例を交えながら見て来ました。
ちなみに、この会社の社長は、2021年になり事業譲渡という方法を取ることを決断されました。事業継続と事業譲渡、どちらかが絶対的な正解というわけではありません。その時の状況は勿論、個人のプライオリティーにもよります。
先の社長さんは、事業と雇用を守ると同時に私の知人が代表を務める新会社のもとで、新たな人生を歩み始めることになりました。

 


 

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倒産は、突然やってくる!

会社を経営していると、倒産という文字が頭をよぎる瞬間があります。しかも、それは突然、やってきます。
今は、事業再生コンサルタントで、倒産しそうな社長様の駆け込み寺として相談をお受けする立場の私も、その一人でした。バブル崩壊までは、まさか、自分が倒産の当事者になるなんて思いもしていませんでした。それまでは、割と裕福な生活をさせてもらっていたのですが、あっという間に、資金繰りに窮し、銀行に返済するためにノンバンクに頼り、高金利の融資で得た資金で金融機関に返済を行っていました。まさに自転車操業で、ノンバンクや銀行などの金融機関を駆け回らざると得なくなりました。即日融資が可能なキャッシングにまで手を出したものでした。

 

今は、会社を復活、黒字化させて、金融機関からの借入もできるようになりましたが、二度と体験したくない日々でした。私の場合は、バブル崩壊がきっかけでしたが、倒産の2文字は突然、身近なものになります。今回は、いくつかの事例を紹介していきますから、参考にしてください。

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①裕福な大地主が新規事業に手を出した結果は?
恵比寿の大地主で数寄屋建築の立派なお宅に住まれていたAさん。息子さんが3人おられて、その潤沢な資金を使って、新規事業に手を出されました。しかし、家業でない不慣れな事業が、うまくいくはずもなく、借入金だけが増えていき、ご自宅も担保になってしまいました。そして、最後は破産、数寄屋建築のご自宅は競売にかけられ、出ていくことになりました。何もしなくても、新規事業に手を出しさえしなければ、家賃収入だけでも、お大臣生活が出来たのにです。まさか、こんなに急激に、資金がショートしていくなんて、想像も出来なかったのだと思います。例え、新規事業で失敗しても、事業を整理し、再出発するタイミングはあったはずです。


②脱サラして起業、当初は絶好調だったが?
電通にお勤めだったBさんは、脱サラしてイベント事業に乗り出されました。大手自動車メーカーと組んで手広く事業を展開し、ピーク時には、年商10億円、純資産5億円と絶好調でした。しかし、バブル崩壊などもあり事業環境は悪化、あれほどあった売上はジリ貧で、内部留保も底をついてしまい、ついに債務超過に転落してしまいました。そこに今回のコロナ禍が追い打ちをかけ、資金繰りは悪化の一途をたどっています。資金ショートを起こし、リスケや代位弁済、任意売却も視野に入れざるを得なくなってしまっています。これも、絶好調な時には、思いもよらなかった「まさか」です。


③老舗企業が新規開拓を怠った結果は?
さて、次に紹介するのは、本当に突然、まさに「寝耳に水」のピンチに襲われた例です。
建築業を営まれているC社は、業界では老舗企業として知られた存在で、資金繰りなどとは無縁の会社でした。そんなC社に、突然、舞い込んできた大口得意先であるゼネコンX社の会社更生法申請の報せが、それ以降のC社の経営内容を激変させることになります。売上の半分以上をX社に依存していたのですが、売り上げは激減、そして、売掛金の一億円も回収不能となってしまい、翌年には赤字、たちまち債務超過に転落してしまいました。当然、金融機関の対応も激変、それまでは言われたことのなかった資金繰り表や経営改善計画書の提出を迫られ、土地建物の処分も勧められています。ついには、社会保険や税金の滞納も始まり、資金繰りに大忙しの毎日となっています。


④伝手・コネが消滅した途端に?
大手企業に勤めておられたDさんは、その伝手を頼って印刷業を企業されました。当初は、その会社の社長に可愛がっていただき、某巨大企業から会社案内や名刺、取り扱い説明書、パンフレットといった印刷物を一手に引き受け、毎年、コンスタントに億単位の売り上げをあげていました。ところが、その相手先の社長が高齢になり、某巨大企業との繋げりも薄れていったある日、「格安の印刷会社に替えます。長い間お世話になりました」という連絡が入りました。うすうす、その気配は感じつつも、まさか急に全ての受注がなくなることは想定できず、新規開拓といった努力を行っていなかった結果、翌年には、売り上げは大幅に減少し、やっとはじめた新規営業もうまくいきませんでした。その結果、私のところに相談にこられた頃には、売り上げが1/10に減少し、赤字体質、債務超過に陥っていました。事業譲渡などの手を使って、倒産だけは免れましたが、資産は全て失ってしまいました。

 

 

今回は、「突然やってくる倒産」ということで、事例を紹介させていただきました。こうして文章にしてみると、時間的な余裕がありそうですが、「まだ大丈夫」「まさか」と思っているうちに、にっちもさっちもいかなくなります。そうなる前に手を打って、最悪の事態だけは、避けるようにしましょう。遅すぎることはあっても早すぎることはありませんし、恥ずかしいことではありません。
是非、早めにご相談ください。私でも出来た企業再生のお手伝いをさせていただきます

 


 

「もうこの会社、ダメかもしれない...」

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あなたの取引先がリスケしているかどうかは決算書から見破ることが出来ます!

企業活動を行っていく上で、切っても切れないリスクの1つが、取引先の破綻です。仕入れ先、販売先、どちらにしても、大きな影響が出てきます。勿論、取引量が多ければ多い程、そして歴史が長ければ、長い程、大変な事態に繋がっていく可能性が高くなります。


前もって、その予兆を感じることが出来る場合は、取引量を制限する、あるいは取引自体を止めてしまう、そして売掛金等の債権があれば回収に走るといったこともできますが、そうでないケース、つまり、突然の破綻といったケースが多いのが現実です。一見、内容の良さそうな会社でも、内情は火の車だった、というのは、よくあることです。


一方、そのような会社の特徴の1つとして、「リスケ」をしていることをあげることができます。つまり、リスケをしていれば、その会社は危険水域にある可能性があるということです。リスケとは、ご存知の通り、金融機関への返済がままならず、返済計画を見直してもらっている、猶予してもらっている状態のことを言いますが、相手方は勿論、金融機関もそのような情報はくれません。しかし、このリスケを見破る方法があるのです。

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用意するものは、相手方の直近の3期分、最低2期分の決算書と勘定科目内訳書だけです。そして、見るべき部分は、
貸借対照表の「長期借入金」「短期借入金」
損益計算書の「支払利息」
・勘定科目内訳書の「借入金及び支払利息の内訳書」です。
これらを、2~3期分見れば、相手方のリスケの可能性が見えてくるのです。
それでは、具多的な見方について紹介していきます。

 

貸借対照表の「長期借入金」「短期借入金」、内訳書の金融機関からの借入金(その他の借入金、例えば役員借入金等は除く)に注目
例えば、この会社が、三菱UFJ銀行、三井住友銀行みずほ銀行の3つの金融機関から借入をしていたとします。その、2018年、2019年、2020年の3期分の残高の変化を追っていきます。


 三菱UFJ銀行:5000万(2018)→4950万(2019)→4900万(2020)
 三井住友銀行:4000万→3960万→3920万
 みずほ銀行:3000万→2970万→2940万
 トータル 12,000万→11,880万→11,810万となっていたとします。


借入金の残高が、ほとんど減っていないのがわかると思います。それも、3行、揃ってです。通常通りの支払いが行われていれば、残高はもっと減っているはずです。このペースでは、全て返し終えるのに100年ぐらいかかってしまいます。

 


一方、「約定どおり返済していて、追加融資を受けた」という可能性も否定できません。しかし、この場合は、3行の足並みが揃うことは稀です。通常は、各行の残高に差がついてきます。リスケの場合、各行が不公平感のないように足並み揃えて元本返済の割合を調整するのが普通で、「残高プロラタ方式」と言ったりします。
このように金融機関が足並みを揃えるかのように、ゆっくりと残高が減っていくのが、リスケの特徴と言えます。

 

損益計算書の「支払利息」に注目
次に損益計算書の中に記載されている支払利息について見ています。
現在、中小零細企業が、金融機関から借入を行う場合、利率は低くて1%、高くて4.5%ぐらいでしょうか。それより高いのはノンバンク系、低いのは優良企業がメガバンク等から借りる場合です。先ほどの例で、5000万ぐらいの借入がある場合、支払う利息は、100万前後、多くて220万から少なくて50万ぐらいといったところでしょうか。ここで、もし、この会社の支払利息が「0」あるいは「10万未満」といった異常に低い数字であれば、その会社は、優良企業ではなく、「期限の利益を喪失して、事故になって、利息が無効になっている」という可能性が出てきます。例えば、保証協会に代位弁済になった会社などは、「支払利息」の欄がゼロ、または異常に低い数字であることが多くなります。
逆に、支払い利息が借入金に対して非常に高い場合は、高利ノンバンクからの借入、手形割引、遅延損害金といったことが考えられます。
リスケを行っている場合、支払利息が通常の範囲内に収まっているのも特徴の1つです。

 

①②の条件が揃っている場合、つまり、借入金残高の3期比較が各行、「足並み揃えたように微減」で、かつ、「支払利息の額が正常な範囲」なら、リスケをしている可能性が高くなってきます。
決算書はその会社の健康状態を示すものですが、その変化を見ていくことでリスケの可能性を発見することもできるのです。

 


 

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不渡りし出したら会社の破産になるのか?

最近は手形を使う会社は減少しています。しかし、いまだに使っている社長さんはいます。
わたしは、金融機関、ノンバンク、街金などで融資は受けました。手形も融資と同じ扱いだと思いますが、唯一手形は使いませんでした。しかし、取引先で手形の不渡りを出して危機に瀕した社長さんに何社もめぐり合いました。

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1.手形の基礎
「手形」は相手方と取り決めた金額を一定の期日に支払うことを交わした証書を指します。
商品やサービスの買い手側にとっては、代金の支払いを先延ばしできる手段であるため、手元の資金を温存することができます。
事業活動において複数の会社と取引を行っている場合には、入出金のタイミングにズレが生じてしまうことはめずらしくありません。しかし、入金のサイクルが遅く、支払いのサイクルが早ければ資金繰りが悪化してしまう恐れもあります。そうした入出金サイクルのズレを緩和する手段として手形による取引が行われるのです。
手形を渡したあなたのことを「振出人」といい、手形を受け取った相手を「受取人」といいます。受取人は、手形に記載された期日までに、銀行に手形を持ち込み(呈示)、現金化の依頼(取立ての依頼)をします。これは受取人が普段取引している近所の銀行で大丈夫です。
これを受けた銀行は、全国にある「手形交換所」へその手形を持ち込み、手形交換所から、振出人が手形を振り出した銀行へ渡されます。そして、振出銀行は、その金額を、受取人の口座に振り込みます。 ここまでが現金化の流れです。

 

2.「不渡り」とは?

「不渡り」は結論から言うと倒産というわけではないです。
「不渡り」すると、なんらかの理由で手形や小切手が決済できないことをいいます。不渡りを出すとすぐに倒産ではないですが、信用力に大きな負の影響を及ぼすため、資金繰り等の面で、その後の経営が難しくなることもあります。
不渡りの理由は、大きく分けて3つあります。
 (0) 手形の形式不備や、期日未到来など。0号不渡りという。
 (1) 振出人の当座預金口座にお金がない。残高不足。1号不渡りという。
 (2) 偽造、詐取、紛失、盗難など。2号不渡りという。

0号は振出人にとって信用の傷になりませんが、1号はかなり傷がつきます。
2号は状況次第です。

 

3.不渡りを出すとどうなるか?

とにかく、1号不渡りに注意することです。1号不渡りを1回でも出すと、金融機関が手形交換所に「不渡届」という書類を提出します。 不渡届を受け取ると、手形交換所はその内容を「不渡報告」に掲載して、加盟銀行に通知することになります。全金融機関にその事実が知らされます。これだけでも大きな信用不安が発生します。
また、半年以内に1号不渡りを2回出すと、銀行から融資を受けることができなくなりますし、手形や小切手を使うこともできなくなります。信用力への影響はとても大きく、事業の継続が困難になって、倒産につながることも少なくありません。そのため、ニ度目の不渡りは「事実上の倒産」とみなされることが多いです。「お預入」「引き出し」「振込」はかろうじてできますが、当座預金取引(手形・小切手)や融資を受けることが、その後、2年間できなくなります。既存の借入があれば、それは「期限の利益の喪失」になり、一括請求や代位弁済、競売、債権譲渡などになります。それだけではありません。不渡りを出すと、1回目、2回目にかかわらず、帝国データバンク東京商工リサーチの速報にも載るのが普通ですし、業界誌などにも載ることが大いに考えられます。狭い業界なら、たちまちその噂が知れ渡り、「おたくとは取引停止だ!」「現金や前金なら取引に応じてもいいが、掛け売りは一切受けられない!」となるのが普通です。
不渡りが「事実上の倒産」と言われる所以です。

 

4.不渡りを未然に防ぐ方法

取引先のもとに手形がある場合は、「申し訳ないです。少し待ってもらえませんか。ジャンプしてもらえる場合があります。手元に手形がなかった場合は、「お願いしたら決済資金を立て替えてくれる場合もあります。簡単にあきらめてはいけません。方法は色々とあります。

わたしは、不渡りを出しませんでしたが、銀行取引・信金取引・ノンバンク・街金などに不義理を致しました。いろいろと経験して、今の会社は黒字経営を継続しています。少々のことで会社が傾くことはないところまで来ました。あきらめないで気張りましょう。

 


 

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自己破産を考える社長の専門家を選ぶコツ

某製造会社の話ですが売上が5000万円から1500万円に減少しました。
理由は取引先の一時的な売り上げ減少です。税理士から「銀行融資は受け付けてもらえない。自宅、工場を売却する条件でリスケジュールするしか解決策はありません!」と言われました。


当人は「リスケジュールしか解決策はない!」と思い込んでいましたが、私から見たら、まだまだ融資が受けられるし、借入を増やしても全く問題ないと考えました。
最初からリスケジュールしかないと決めつけて銀行に話を切り出すのは全般を見ずに偏った方法からしか見ていません。この会社の資金繰りに窮している以外は付加価値もある製品を取りそろえ業績も良好な態です。


税理士が言うように、自宅と工場を売却したら新しい工場を借りなければなりません。仕事との引継ぎなど手続きのタイミングを外すと、この社長は仕事も得られず破産になってしまいます。

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そんな社長さんからリスケジュールの相談を受けましたが、私はリスケジュールには反対し追加融資と借り換えをお勧めしました。信用情報に傷もついていない状態だったこともあり、無事1500万の追加融資と既存分を合わせた10年返済に組み替えることができ、資金繰りも一気に改善いたしました。
税理士からは傷を深めたと言われましたが、次年度は見事に増収増益を達成しています。
この税理士は経営のことがわかっているのか疑問に思います。

 

ある再生コンサルタントに1年間で500万円という報酬を払って再生の依頼をしました。内容はリスケジュールを行ったものです。
しかし、リスケジュールをしても債務超過・資金繰り難・赤字体質が続いている状態で、中途半端にリスケジュールなどしてしまったことで、支払利息や保証料支払いなどの支払いがあり手元資金は残らず、家賃・仕入・人件費の支払えない事態に陥ってしまう恐れもあります。


このリスケジュールは少しの間、命を伸ばしただけでした。
仕入や給料の支払いができず、自分の生活費もままならず、自宅などすべての財産を失い破産に追い込まれました。
実務経験のないコンサルタントの間違った方法により、最後は家族からも社員や取引先からも見放され、何もかも全て失ってしまったのです。このように報酬を多くとり成果が上げられないコンサルタントは多く見られます。


このような場合は私的整理・法的整理・事業譲渡・M&Aなど、大胆な対策が必要です。
破産はいつでもできます。すぐに破産しなくても、あきらめずに対策を駆使すれば道は開けます。決して簡単ではありませんが、それぞれいろいろやり方があるので実行することです。
現実は、リスケジュールを必要としている会社のほとんどが資金繰りの問題以外に、赤字体質、債務超過不良債権などの問題を抱えています。よって、リスケジュールはあくまでも短期的資金繰り対策のひとつとしてとらえなければなりません。
銀行に向けた対策だけで事業再生ができると思ったら大間違いです。

 

私も会社を倒産させましたが、銀行対策をして解決できるレベルではなかったのです。しかし、あらゆる手段を使ったおかげで、会社は黒字となり、信用力を付け(信用力を付けることが大変です)融資も受けられるようになりました。人生、あきらめてはいけません。

 


 

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自己破産を考える保証会社の対応方法2

保証会社2

「信用保証協会」は、中小企業・小規模事業者の皆さまが金融機関から「事業資金」を調達する際に、保証人となって融資を受けやすくなるようサポートする公的機関です。
全国各地に信用保証協会があり、各地域に密着して業務を行っています。
「信用保証制度」は、中小企業・小規模事業者、金融機関、信用保証協会の三者で成立しています。

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金融機関との取引が浅い中小企業・小規模事業者の方が融資を受けようとすると、「信用保証協会」の保証を求められることもあります。信用保証協会が保証をしている融資は「保証付融資」と呼ばれています。


「保証付融資」では、万が一、借主の返済が滞った場合に、借主に代わって信用保証協会が金融機関に「立て替え払い」を行います。なお、保証をご利用いただく対価として、中小企業・小規模事業者の皆さまに所定の信用保証料をお支払いいただきます。
保証をご利用いただく際には、原則として、法人代表者以外の連帯保証人は必要ありません。また、担保に過度に依存しない保証の推進に努めています。一方、同じ金融機関からの融資であっても、信用保証協会の保証が付かない融資があります。これは「プロパー融資」と呼ばれています。
「全国保証協会連合会HP」より

 

 

◆保証協会債権回収株式会社(通称・保証協会サービサー)という会社がありますが、これも同様です。保証協会サービサーは他の民間サービサーと違い、不良債権を二束三文で譲り受けているわけではありません。督促状の手紙を読む機会があったら一度熟読してみて下さい。どこにも「債権譲渡」とは書かれていないはずです。


そう、債権はいつまでも信用保証協会のままなのです。保証協会サービサーは、ただ単に「回収の委託」を受けているだけなのです。よって、傾向と対策は信用保証協会のそれと何ら変わりません。
サービサーに移ったから安く減額交渉できる」と思ったら大間違いです。
                                     以下。

 

◆信用保証協会はサラ金ではありません。また、前述のように債務免除には原則応じられず、「長い時間がかかっても残元金を全額回収しようとする」傾向が強くあります。
だけど、逆の見方をすれば、「一括で払えなくても、長期分割で払っていける交渉の余地がある」といえます。保証協会は私たちからの相談をよく聞いてくれるのです。

 

◆また、元金は滅多に免除してくれませんが、遅延損害金のほうは、「元金を完済した後にお願いしたら免除してくれた」との事例を聞くことがあります。
少しずつでも返すと、そのお金はまず元金に充当されます。最後に天文学的な遅延損害金だけが残る計算になりますが、そちらは交渉の余地があると言っていいでしょう。(但しこれは元金を完済する前に交渉してもたぶん効き目がありません。まずは頑張って元金を完済して、元金完済間近になってから交渉するのがいいと思います。)

 

◆保証協会さんはあなたの敵ではありません。返済困難な状況にあるのなら、それを包み隠さず告げ相談すれば、無理のない小額分割払いのお願いでも十分聴いてくれる余地があります。

 

◆ちなみに、私がこれまでに見聞きした中では、銀行の返済が遅れて保証協会に代位弁済されるまでの延滞期間は平均6ヶ月前後といったところです。(思ったより遅いでしょう?)
「銀行の返済を遅れたら直ちに代位弁済になり、恐ろしいことが起こる」というのは間違いです。現場はもっと柔軟に運用されているのです。

 

◆また、代位弁済後の分割払いは、残元金が5000万円以上あるような人でも、話し合いで、なんと、月々1万円以下にさせてもらっている人が結構います。
(但しこれは、半年〜1年おきに返済能力を隠さずオープンに見せたうえで話し合って暫定的に決められているのであり、固定的に永久に1万円ずつで済むわけではないので誤解なきように!)

 

◆「代位弁済になってもチョロいもんだぜ。月々1万円ずつも払えば十分!利息はかからないし!」などと都合のいい部分だけを鵜呑みにして解釈するのはもちろん危険ですが、ここまで熟読して頂ければきっとお分かり頂けるでしょう、そう、保証協会に代位弁済されても、一時猶予や負担軽減の話し合いの余地は十分あるのです。怖がる必要はありません。大丈夫です。

 


 

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