自己破産を考える社長の駆け込み寺

自ら黒字企業に蘇らせたからこそ言える、自己破産を考える社長の皆様に伝えたいこと

倒産は、突然やってくる!

会社を経営していると、倒産という文字が頭をよぎる瞬間があります。しかも、それは突然、やってきます。
今は、事業再生コンサルタントで、倒産しそうな社長様の駆け込み寺として相談をお受けする立場の私も、その一人でした。バブル崩壊までは、まさか、自分が倒産の当事者になるなんて思いもしていませんでした。それまでは、割と裕福な生活をさせてもらっていたのですが、あっという間に、資金繰りに窮し、銀行に返済するためにノンバンクに頼り、高金利の融資で得た資金で金融機関に返済を行っていました。まさに自転車操業で、ノンバンクや銀行などの金融機関を駆け回らざると得なくなりました。即日融資が可能なキャッシングにまで手を出したものでした。

 

今は、会社を復活、黒字化させて、金融機関からの借入もできるようになりましたが、二度と体験したくない日々でした。私の場合は、バブル崩壊がきっかけでしたが、倒産の2文字は突然、身近なものになります。今回は、いくつかの事例を紹介していきますから、参考にしてください。

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①裕福な大地主が新規事業に手を出した結果は?
恵比寿の大地主で数寄屋建築の立派なお宅に住まれていたAさん。息子さんが3人おられて、その潤沢な資金を使って、新規事業に手を出されました。しかし、家業でない不慣れな事業が、うまくいくはずもなく、借入金だけが増えていき、ご自宅も担保になってしまいました。そして、最後は破産、数寄屋建築のご自宅は競売にかけられ、出ていくことになりました。何もしなくても、新規事業に手を出しさえしなければ、家賃収入だけでも、お大臣生活が出来たのにです。まさか、こんなに急激に、資金がショートしていくなんて、想像も出来なかったのだと思います。例え、新規事業で失敗しても、事業を整理し、再出発するタイミングはあったはずです。


②脱サラして起業、当初は絶好調だったが?
電通にお勤めだったBさんは、脱サラしてイベント事業に乗り出されました。大手自動車メーカーと組んで手広く事業を展開し、ピーク時には、年商10億円、純資産5億円と絶好調でした。しかし、バブル崩壊などもあり事業環境は悪化、あれほどあった売上はジリ貧で、内部留保も底をついてしまい、ついに債務超過に転落してしまいました。そこに今回のコロナ禍が追い打ちをかけ、資金繰りは悪化の一途をたどっています。資金ショートを起こし、リスケや代位弁済、任意売却も視野に入れざるを得なくなってしまっています。これも、絶好調な時には、思いもよらなかった「まさか」です。


③老舗企業が新規開拓を怠った結果は?
さて、次に紹介するのは、本当に突然、まさに「寝耳に水」のピンチに襲われた例です。
建築業を営まれているC社は、業界では老舗企業として知られた存在で、資金繰りなどとは無縁の会社でした。そんなC社に、突然、舞い込んできた大口得意先であるゼネコンX社の会社更生法申請の報せが、それ以降のC社の経営内容を激変させることになります。売上の半分以上をX社に依存していたのですが、売り上げは激減、そして、売掛金の一億円も回収不能となってしまい、翌年には赤字、たちまち債務超過に転落してしまいました。当然、金融機関の対応も激変、それまでは言われたことのなかった資金繰り表や経営改善計画書の提出を迫られ、土地建物の処分も勧められています。ついには、社会保険や税金の滞納も始まり、資金繰りに大忙しの毎日となっています。


④伝手・コネが消滅した途端に?
大手企業に勤めておられたDさんは、その伝手を頼って印刷業を企業されました。当初は、その会社の社長に可愛がっていただき、某巨大企業から会社案内や名刺、取り扱い説明書、パンフレットといった印刷物を一手に引き受け、毎年、コンスタントに億単位の売り上げをあげていました。ところが、その相手先の社長が高齢になり、某巨大企業との繋げりも薄れていったある日、「格安の印刷会社に替えます。長い間お世話になりました」という連絡が入りました。うすうす、その気配は感じつつも、まさか急に全ての受注がなくなることは想定できず、新規開拓といった努力を行っていなかった結果、翌年には、売り上げは大幅に減少し、やっとはじめた新規営業もうまくいきませんでした。その結果、私のところに相談にこられた頃には、売り上げが1/10に減少し、赤字体質、債務超過に陥っていました。事業譲渡などの手を使って、倒産だけは免れましたが、資産は全て失ってしまいました。

 

 

今回は、「突然やってくる倒産」ということで、事例を紹介させていただきました。こうして文章にしてみると、時間的な余裕がありそうですが、「まだ大丈夫」「まさか」と思っているうちに、にっちもさっちもいかなくなります。そうなる前に手を打って、最悪の事態だけは、避けるようにしましょう。遅すぎることはあっても早すぎることはありませんし、恥ずかしいことではありません。
是非、早めにご相談ください。私でも出来た企業再生のお手伝いをさせていただきます

 


 

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