自己破産を考える社長の駆け込み寺

自ら黒字企業に蘇らせたからこそ言える、自己破産を考える社長の皆様に伝えたいこと

リストラや倒産、その時、住宅ローン、マイホームはこうなる

リストラにより仕事を失ったり事業で失敗し、支払い不能、倒産とうい言葉が頭をよぎる時、気になるのが住宅、マイホームのことです。賃貸にお住まいの方ならば、今、住んでいる家を明け渡し、家賃の安いところに越すということになると思いますが、住宅ローンを組んで手に入れたマイホームの場合、そういう訳にはいきません。ただでさえ、仕事や事業の資金繰りのことで、頭が一杯の時に、大きくのしかかってくる問題です。そんな時、この先、どうなっていくのか?どんなことが待っているのか?知っているだけでも、色々な準備が出来ますし、解決策を見出すことが出来るかもしれません。そこで、今回は、住宅ローンが払えなくなった時、いったいどのように事態が進んでいくのかといったことを私の経験も交えて紹介させていただきます。

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私はかつて多重債務者でした。それまで、好景気に乗り業績も好調だった私は、ローンを組んで住宅を購入したのですが、その後の事業環境の変化で、御多分に漏れず住宅ローンを支払えずに競売になってしまいました。住宅ローンの残債が多いのは、事業者よりもサラリーマンの方の方が多いようですが、実際に競売にあった私の経験も踏まえ、どうなっていくのかということを知っていただきたいと思います。
 
契約で定められた口座振替の日までに入金できず、引き落とし不能になった場合、住宅ローンを組んでいる金融機関から連絡が来ます。この時の対応は、まさしく確認、連絡と言っていいような内容で、まだ優しいものです。翌日以降に再引き落としされ場合、ペナルティとしては、せいぜい遅れた日数分の遅延利息が加算されることぐらいで、信用情報機関には、1日遅れて入金があった(CICならAマーク)という記録が残るぐらいでしょう。次に延滞日数が一ヶ月を超えてくると、対応が少し乱暴になり、緊張感が出て来ます。しかし、延滞が2ヶ月以内にとどまっていれば、一括請求や競売にかかるといったことは滅多にありません。家を守りたければ、この段階で少しでも入金することです。気をつけないといけないのは、団体信用生命保険(団信)です。延滞が2ヶ月を過ぎて、3ヶ月分にさしかかると、団信が強制解約となるからです。
 
延滞が3ヶ月を過ぎた頃から、金融機関から、自宅を守るのかリースバックも含めて売却するのかといった決断を迫られるようになります。延滞が3ヶ月分を超えると、「期限の利益の喪失」といって、いわゆる強制解約のような状態になり、保証会社へ回され保証会社から一括請求がきて、もう元のサヤには戻せなくなる可能性があります。つまり、延滞3ヶ月は、大きな節目なのです。そして、3ヶ月以上延滞がかさみ、いよいよ「期限の利益の喪失」が間近になると、郵便などで、「期限の利益の喪失予告通知」といったものが届きます。内容は、「x月x日までに延滞分をお支払い下さい。さもなければ貴殿は期限の利益を喪失し、一括請求になり、保証会社へ代位弁済されます」というものです。この書面が届いたら、基本的には、もう元に戻ることは出来ません。一括で全額返済しなければ、任意売却を求められるか、競売にかけられるかになりますが、この段階で、出来ることは次のようなことになります。
(1) 任意売却により自宅を売却する。
(2) 競売にかけられる。
(3) リスケジュールの交渉を行う。
(4) 個人再生手続きを行う。
このうち、個人再生手続きについてですが、住宅ローン特別条項つき個人再生という制度があり、これは、サラリーマン向けの給与所得者再生と個人事業主向けの小規模個人再生との2種類に分かれるのですが、どちらも地方裁判所に申立てることになり、弁護士に依頼することになるでしょう。この個人再生がうまくいくと、住宅ローンは期限の利益を回復し(但し喪失後6ヶ月以内)、元通り、住宅ローンの返済を再開することができ、とりあへず家を失わずに済みます。
 
さらに、期限の利益を喪失し、一括請求や代位弁済になり、個人再生などもダメで、いよいよ売却不可避になったら、順番としては、競売よりも先に、任意売却を検討すべきです。
任意売却は、文字通り任意に売却先を探すことを言いますが、担保権者(住宅ローンの貸し手)の同意を得ることが必要になります。 
 
そして、任意売却も交渉決裂になると、最後の手段、競売になります。多くの場合、住宅ローンの延滞が始まってから裁判所で競売開始決定がなされるまでに、最低でも半年、2年くらいかかることもあります。
 
住宅ローンが払えなくなった場合、どうなるかといったことを時系列で示させていただきました。どのような時でも、情報の有る無しで、心の持ち様や自体は大きく変わってきますから、頭に入れておいてください。
どの段階においても、生き残り策はあります。現実を受け入れ、状況に応じて、頭を切り替えながらも、ベストな解決方法が考えていきましょう。
詳しく知りたい方は、メールにて相談ください。

 


 

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関連会社:大野不動産コンサルタント事務所